2012-01-01から1年間の記事一覧
『フランス哲学の冒険 1960年代以降』アラン・バディウ著の文献をラユンヌ書店で見つけたので、買ってすこし読んでみた。バディウはドゥルーズの解説者でもあり、その解釈が日本の専門家によって批判的に受け取られているということあとで知るくらいで、まっ…
『私の自由、それはライシテ(世俗化)』ラ・ユンヌ書店にいってみたら、ルイ・ヴィトンのギャラリーになっていた。サン=ジェルマン=デ=プレの書店文化も終わりかと思ったが、すぐ裏に引っ越していた。棚間のスペースも広がり、むしろ快適になっていた。…
日本でいえば南洋堂にあたる・・・・といえば建築の人はわかろうというもの。パリの建築書店といえばオデオン座となりにあるモニトゥール書店である。それが閉店となるらしい。 といってもモニトゥールは建築専門書店として、施工、構造、法規などいわゆる専…
最近アクセスが少ないなあ、ブログの時代も終わりか、とおもっていたらぼくがほとんど更新していないのであった。2年前とくらべると半分以下の投稿ペースになっている。メンバーシップが固定しているメディアとしてはfacebookがいちばん便利で、あれは研究…
という本(作品集)を宮本佳明さんからいただきました。ありがとうございます。 もう10年以上前になってしまったが、京都かどこかで開催された建築会議でご一緒したり、(これまたどこかもう忘れてしまったが)合同卒計展で講師としてご一緒したり、はたま…
たいへん格式の高い某学会の大会を聴講した。テーマはエスニシティであった。 多くのことが語られたが、人と人の関係、ということでは絆とエスニシティの問題は交差する。 エスニシティは1980年代にアメリカでさまざまなエスニック・グループの衝突など…
ぼくが勤務する学科が「絆」をテーマとする公開講座を開催するというので、かりだされた。きのう、自分の当番をこなした。 こういうときは自分のための勉強もすこしはして、前向きにやってみるものである。だからなつかしいアンリ・ルフェーブルや、最近はや…
黒崎までいってきた。ヤナーチェク、ベートーベン、ドビュッシー、シューベルトであった。音楽は素人なので120%印象評だが、機械にように正確で、音色はあくまでりりしく美しく、しっかり音楽の精霊が天よりおりてきていた。2年前のツアーではほとんど…
・・・を開催していただきました。ありがとうございました。 1992年に赴任してきてまる20年たった。正確には21周年という計算なのだが、まる20年経過したということでの記念パーティである。昨日は福岡でやった。11月は東京で開催します。 地方の国立大学…
今年度のシャイヨ宮の目玉はアンリ・ラブルースト(1801-1875)の展覧会のようで、10月11日にすでに開幕したが1月7日まで開催されるらしい。WEB版ル・モニトゥール誌にそのように紹介されていた。 古代建築を至上とするアカデミーで教育をうけ、23歳でローマ…
山寺の和尚的な生活をおくっているぼくにさえも経済や外交の危機的状況は伝わってくるのであり、ベルリンの壁崩壊から20年とすこしたって、これから1~2年は転換期になるであろうと予測するのだが、前線にいる人びとにとってはもっと切実なことであろう。…
「新建築」9月号に掲載されていたので、注目してみた。池と建築を一体化した、ミニマリズムと表現するのは短絡にも思えるような、すばらしい空間構成と動線計画である。大拙の哲学世界に没頭したのちに、水面を眺めながら、いや周囲を水にかこまれたたただ…
ジョギングというのは合法的な麻薬であり、脳内物質が分泌されるそのハイ状態に達するコツを学習してしまうと、健康のためというより密やかな悦楽にちかくて、なんか後ろめたいなあ。 ジョグ環境は大切。自宅周囲では数種類のコースを用意している。たとえば…
1941年に出版されたものの翻訳を、訳者である林要次さんからいただきました。ありがとうございます。 ナチス占領下のパリを離れ、疎開先からパリの将来を構想した文献である。 パリが二重の危機において案ずべきものとされている。ひとつは近代都市計画との…
1週間をおいて、おふたりに大学にきていただき、3年生の設計課題をみていただいた。1泊2日のショート課題そのものをだしていただき、自作スライドショー、講評までしていただいた。 平田さんは、建築家として作品中心の語りをされているようだが、理論派…
丹羽教授が61歳で逝去された。 丹羽さんとぼくは同じ頃にD学位を取得したが、研究領域も近かったので、面識はなかったのにおたがいに存在を意識し、若干の交流をしていたという間柄であった。彼はエコールポリテクニクについてD論を書いた。そのD論のコピ…
3年生の演習課題にとりあげた。1章を読んで、内容要約などをふくんで、プレゼしてくださいという課題である。読書もし、設計のためのコンセプトを練り上げる練習である。学生たちはしっかりプレゼし、説明していた。 とはいえぼく自身、ほとんど30年ぶり…
しっかりゼミをやったあと、学生といっしょに《イージーライダー》を鑑賞した。 アメリカ60年代のコミュニティ運動に関連したことをやっている学生がいるのだが、なにしろ学生にとっては生まれる30年もまえのことだから、感覚がない。そこで時代感覚を養う…
ぼくは中沢新一の本はけっこう読んでいたつもりであった。でも最近になって必要ができて再読しようとすると、初期のもの以外はほとんど読んでいないことに気がついた。書評やなんかの話題で接していただけなのに、読んだつもりになってしまう。そういうすご…
オーム社よりいただきました。ありがとうございます。 さっそく一読した。建築雑誌2011年2月号に書いた拙論『国家のアイコンをめぐって----折衷主義・純粋美学・弁証法』を思い出した。国家を代理代表する建築として、日本では、鹿鳴館的な折衷主義、「日本…
たまにはこんな本もと思って、図書館で斜め読みした。学生のころ『生きのびるためのデザイン』なる本があったが、そんな感じかなとおもっていたら、この本もしっかり引用されていた。 学生向けなのであろう。理論的すぎず、現在進行形の語りであり、いろいろ…
これは従来の「建築的・都市的・景観的文化遺産保存区域(ZPPAUP)」にとってかわるものである。従来制度をはなはだ損ねるものではないが、持続可能な発展というものを組み合わせることで、バージョンアップされる。Avap(Aires de mise en valeur de l'archite…
大澤真幸『夢よりも深い覚醒へ』 早く帰宅できたので、ターミナルで書店によってみた。3月6日発行という標記文献を買った。 311以降の哲学を論じた本書は、まず前半は理不尽な絶滅、アイロニカルな没入、偽ソフィーの選択などのこれまでの緒論を編集し…
グローバル・エンズ。世界の果て。ギャラ間の展覧会の図録である。初版第一刷が今日2012年2月24日なのである。ご縁のおかげでその日に目をとおせたので、すこし書いてみる。 最初に脱線。昨日、学科会議というものにでていたら、隣にいた同僚(建築家…
WEB版のルモンド紙やモニトゥール誌によると、現地2月9日午後に火災は発生したようである。(記事は2012年2月10日の11時16分のもの。) 1995年に文化遺産となったこの建物は2004年にもすでに火災を起こしているが、その時は2戸が被害を受けたようである…
「建築雑誌」2月号だが、「建築の争点」なるコラムがはじまっていて、太田省一さんにこのブログで論じたことを取り上げていただいていた。このモダニズム建築という和製英語の問題を提起しながら、言葉狩りにならず、それを論じるための枠組みを拡大しよう…
地元紙から依頼されたので書いたものを再録します。20日掲載であった。 --------- 菊竹清訓二〇世紀建築のヴィジョン現代建築の神話性 建築家菊竹清訓氏が昨年の一二月に亡くなった。二〇世紀の日本を代表する建築家のひとりであり、国際的著名度も高い。…
先日、横山俊祐がぼくの大学に教えにきてくれたので、数十年ぶりに一緒にお酒を飲んだ。 呼び捨てにするのは同級生だからである。 大学の同級生というのは不思議な存在で、学生のころはライバル意識などなかったのにやけにおたがいに厳しかったり喧嘩したり…
翻訳者である杉本俊多先生から賜った。ありがとうございます。 杉本さんは大学研究室の大先輩であり、建築史学における先輩でもある。ながながとODをすごす古き良き?伝統のおかげで、研究室での在籍もぼくとほんのすこし重なっていたので、今がチャンスとい…
翻訳者である杉本俊多先生から賜った。ありがとうございます。 杉本さんは大学研究室の大先輩であり、建築史学における先輩でもある。ながながとODをすごす古き良き?伝統のおかげで、研究室での在籍もぼくとほんのすこし重なっていたので、今がチャンスとい…