2011-01-01から1年間の記事一覧

『超マクロ展望 世界経済の真実』など

春眠暁を覚えず。大災害や大事故をぼくなりに注視しながら、情報/電力の対比などを考える。情報は、管理されているものもあるとはいえ、さまざなま情報ツールによって民主化されフラット化されつつある。逆に電力はますます独占的、中央集権的になっている…

卒業式

今年の卒業式は自粛的であった。祝賀会などは省略し、学位記授与などのミニマムなものとなった。 大学の行事としてはそんなかんじで、夜は、個人レベルで卒業生・修了生たちと会った。挨拶でこんなことをしゃべる。先日の地震・津波・原発事故はたんに被害が…

留学生たちは帰国した

3月11日の地震と津波、そして原発事故をうけて、留学生たちが帰国しはじめた。ぼくは4人のフランス人学生たちの世話をしている(していた)。そのうちの3人は、フランス政府とかれらが在籍している学校の勧告にしたがって帰国することにした。状況がよ…

特集『アジアアトラス』

ぼく自身が時代の流れを(すこし遅れて)実感したのが1988年ことであったのだが、中東、インド、ネパールなどを数ヶ月かけて旅行したのち、アジア調査旅行をまえにした研究者集会をのぞいて、その熱気に圧倒されたのであった。肩身の狭い人生になるであ…

ヴェネツィアという建築情報の発信都市?

昨日のつづきですが、16世紀ヴェネツィアで建築書が多く出版されたことを再考したい。 もちろんこれは通説どおりであり、建築史の文献をひもとけば「16世紀ヴェネツィアでは印刷業が盛んで・・」はほとんど枕詞である。しかし通説というのももっと味わう…

名古屋出張

日帰りであった。4時間電車、1時間会議、4時間電車。でも新幹線のなかでは、駅弁+ビール、昼寝、読書、iPad、あれこれ思索、でとてもたのしかった。これで花粉がなければ極楽であった。 パリ。博覧会とミュージアム。ふたつは連動している。19世紀はじ…

伊藤毅研究室『地域の空間と持続』

標記報告書を送っていただきました。ありがとうございました。 これは東京の白山・丸山福山町地区を分析した報告書である。ひところの町並み・都市分析よりもさらに深く、100年間の人口構成の変化、土地所有関係の変化、町会などのコミュニティといった社…

イタロ・カルヴィーノ『見えない都市』

会議と入試に満ちた素晴らしい一週間が終わろうとしている。日曜日。図書館にいってしばらくたたずむ。書籍を数冊かりる。帰りに点眼薬を買う。花粉対策である。 名作、イタロ・カルヴィーノ『見えない都市』がたまたま目にとまったので、借りてみる。ずっと…

冬眠の幸せ、iPadの喜び

去年あたりから体温が下がっていることには、彼は気づいていた。悪寒がして朝3時に目がさめたこともあった。風呂にはいろうとして裸になるとはげしい悪寒がおそったりした。デスクに向かいながら芯から寒いと感じたことがあった。風邪かなとおもったが、熱…

五十殿利治『「帝国」と美術』

1000頁を超える大著なので、隅々まで眼をとおすわけにもいかないが、堪能できる文献ではある。 1930年代日本の対外美術戦略という副題のとおりの内容である。ローマとベルリンで、それぞれムッソリーニとヒトラーにアピールしようとした日本美術展。…

松村本書評へのコメントにこたえて

花田さんからコメントいただきました。いろいろ感じいりました。 『建築ジャーナル』誌の件があったころは、ぼくもかろうじて30代でした。今思うと、まぶしい感じがしますね。忙しかったなあ。毎日授業どころか、土曜日も演習がありました。いまや歴史的な…

卒業設計の講評会

わが学科の卒業設計である。 家を出る前に、30分ほど書類を作成。留学生関係のもの。 9時30分、大学着。ハンコしたり、雑用。 10時から卒業設計のポスターセッション。学生の話をきいてまわる。というか、お説教が中心。いやなオヤジである。採点結果…

花田佳明『建築家・松村正恒ともうひとつのモダニズム』

花田さんから送っていただいた書籍が、今日、自宅にとどいた。ありがとうございます。さっそく一読した。 第一刷発行が2011年2月28日であるから、その10日ほどまえに書評を書くのもおつなものであろう。 彼が愛媛県のある建築家に注目していたことは…

国家のアイコンをめぐって----折衷主義・純粋美学・弁証法

冬眠しておりました。気がつくと一カ月ぶりの投稿である。『建築雑誌』2月号に掲載されたものの再録です。とくに注目もされていないようですが、ぼくなりの20世紀のある側面のまとめでもあります。 すこし時間をおいて再考し、さらに『建築雑誌』特集をパラ…

atプラス 01から06まで

06号は送っていただいたのだが、バックナンバーも面白そうだったので、01から05号も注文した。というか浮世離れしていてこの雑誌のことをあまり認識していなかったぼくが無知なだけであった。 というわけで雪が降っている休日の午後、パラパラめくって…

ショワジー『建築史』

原著は1899年出版。桐敷真次郎先生の翻訳である。中央公論美術出版から。 建築史学にとっても、近代建築史にとっても、不可欠の著作である。ただほとんどの建築関係者(ぼくもそうなのだが)はバンハム『第一機械時代の理論とデザイン』をとおしてはじめて知…

スーパーにて

彼が早朝スーパーに買い物にゆくということは、とても珍しいことであったが、ともかくもその日の7時、そこにいった。しかも昼食の弁当のためであった。なぜなら彼は一日中自宅にこもって仕事をするつもりであったので、朝の散歩と買い物を同時に効率よく済…

山本理顕『建築空間の施設化』を読んでみる

ヴァーチャル初詣?も済ませたので、すこし硬派なこともしてみよう。昨年末『atプラス』6号が送られてきて、山本理顕さんの論文がなにか年越しの宿題のようなものになっていたので、すこし考えてみる。 この論文は思想の表明である。これまでも彼が主張して…

建築神社に初詣?

・・・ときどきかってにやってくる妄想。あまりためのんではいけないということで。 三田の建築会館ちかくには建築神社なんかあってもいいのでは? 神殿ではなく、神社である。なぜかというとギリシア風の神様はどうも人間たちのためというより、自分たちの…