2013-01-01から1年間の記事一覧

2013年の記事

2013.01.04 Quelles villes pour le 21e siècle? 2013.01.04 Vatican II, 50 ans après 2013.01.04 《パリ盆地のオフィス建築》展 2013.01.06 ラブルースト展とバルタール展 2013.01.06 Agrandir Paris 1860-1970, 2012 『パリを拡大する』 2013.01.10 Grand…

山本理顕『個人と国家の<間>を設計せよ』

こんな偶然の繋がりが、あたかも必然のように出現するので、ぼくは建築の神様を信じたくもなる。 12月25日、クリスマスなのに丸一日演習だなあと思いつつ、メールボックスに、山本理顕さんから郵送されてきたコピーを発見する。『思想』2014年1月号…

今年も文献をありがとうございました

年末になって本棚を整理していると、最近いただいたがそのまま不義理している文献がいくつかみつかった。 『ここに、建築は、可能か』(TOTO出版)、ありがとうございました。建築がソーシャルなものと再会したということだと思った。 『SD2013』…

『多木浩二と建築』(「建築と日常」別冊)

編集の長島明夫さんより賜りました。ありがとうございます。 多木浩二は1976年の『生きられた家』から、建築外にありながら建築界における注目すべき論者でありつづけた。美学や現代思想をベースにした論評は、じつのところ建築界の片隅にいる住民である…

建築の七つの冒険

きのう、山下保博さんといっしょにワインをいただいた。"Tomorrow"と"Listen to the Materials"なるご著作もいただいた。ありがとうございます。 じつはそのまえに、午後、1年生用の入門科目の講義をした。テーマは、21世紀の予想される趨勢と、それを念…

GA『二〇世紀の現代建築を検証する』

GAより賜りました。ありがとうございます。すこし前に届いていたのですが、海外でぶらぶらしていたので、目をとおすのが遅れました。 1999年に出版されたものに「あとしまつ」を追加されて出された。当時からそこはかとなく意識していた本書であるが、な…

アングレームのポール・アバディ

ポール・アバディというとパリのサクレ=クール教会堂の建築家として有名である。ついでに修復建築家としても活躍しており、ペリグーのサン=フロン教会やアングレームのサン=ピエール・カテドラルといったドーム式教会をふくむ多くの中世教会を修復したこ…

ペリグーのサン=フロン教会

ボルドーはジロンド県、ペリグーはそのとなりのドルドーニュ県、ともにアキテーヌ地域圏(県と国の中間の自治体で、日本の道・州にあたる)、18世紀までならともにギエンヌ管区に属していた。鉄道でボルドーからペリグーに日帰りし、ひさしぶりでサン=フ…

教皇フランシスコの新方針?

教皇がイエズス会系の雑誌インタビューに答えたことが波紋を投げかけている。 同性婚、避妊、中絶などについてこれまでほど厳格でなくともいいのではないか、という趣旨である。一般メディアもこれをくわしく報じている。 一般紙の代表格であるフィガロなど…

ガロンヌの畔にて

ひさしぶりにボルドーに滞在している。 成田/パリはA380であった。どんな乗り心地かと期待したが、滑走は短く、軽やかに離陸し、とてもスムーズであった。室内はとても静かで、ストレスレスである。ジェット機の金属音は遠い昔となった。 ガロンヌ川は水深…

大学トップ20?

文科省が8月6日にHPで、研究大学強化促進事業の対象機関を公表した。これは今年度から開始される事業である。17の国立大学、2つの私立大学、3つの大学共同利用機関法人を「研究大学」と指定して、それぞれに2億円から4億円の資金を配分して、「研究…

『丹下健三とKENZO TANGE』

オーム社より標記文献をいただきました。ありがとうございます編集の豊川斎赫さんが丹下研究室、ウルテックなどに在籍した48人の弟子たちに7年かけておこなったインタビューをもとした大作で、3段組で1000頁ほどもある。じつは2週間ほどまえに届いたもの…

頴原澄子『身近なところからはじめる建築保存』

頴原先生からおくっていただきました。ありがとうございます。 彼女が前任地にいたころ、近くだったので、2年間ほど設計演習をみていただいた。平戸サーベイにもご同行いただいた。さすがに平戸の物件は本書には登場していないが、19世紀イギリスの保存論…

フラクタル/初音ミク

学生のころ、講義というものは70%はいわゆる脱線であった。90分間本題を語り続けた教員はひとりしか憶えていない。たいがいは60分ほどの雑談をし、ノートにそって20分ほど板書し解説し、じゃあねと去ってゆく先生がほとんどであった。 それが自分が…

こども環境設計

大学の「施設公開」という企画があったので、学科でいろいろ智恵をしぼったあげく、東京でこどもあーと教室を主宰する海老沢さんと学科OG建築家の坂口舞にきていただいで、地域のこどもたちのための教室をひらいていただいた。大学は18歳人口の推移をとて…

磯崎新建築論集『記号の海に浮かぶ<しま>』

編集協力の松田達さんよりおくっていただきました。ありがとうございます。磯崎本は「日本的なもの」いらいひさしぶりである。過去の論文の再録だけでなく、書き下ろしもあり、全体がひとつの都市論をなすように編集されている。既読のものはとくに高速に進…

福田晴虔『アルベルティ』中央公論美術出版

図書館で発見したので読んでみた。じつは昨年6月に、ある機会に福田先生におめにかかったとき、拙ブログのブルネレスキ評をほめていただき、アルベルティも読むようにとご指示いただいていた。が、多忙を理由にすっかり失念していたという次第で、つくづく…

『宮脇檀まちなみ読本』

住宅生産振興団体から「家とまちなみ」no.67が送られてきた。ありがとうございます。その特集が宮脇檀であった。彼はぼくが大学3年生のとき、非常勤講師としてやってきた。ほかにも池原先生がきてくれた。ぼくは宮脇檀のグループにはいり、彼の課題をこなし…

槇文彦『漂うモダニズム』左右社

左右社さまよりいただきました。ありがとうございます。 360ページもあるエッセイ集であり、最近「新建築」誌で発表された「漂うモダニズム」など多数の論考が納められている。 彼が教授であったころ、ぼくはすでに研究室に配属されていたので、自分の恩師と…

澤田肇『フランス・オペラの魅惑』

著者の澤田先生より賜りました。ありがとうございます。 留学していたころ今のオペラ・ガルニエで《トリスタンとイゾルデ》を観たり、ディープなファンではないのでまったく体系的ではないが、親戚を案内してバスティーユのほうで《トスカ》を観たりもした。…

ミニマムな小屋

Casabella 819いただきました。どうもありがとうございます。いただいた文献はこのブログでなるだけ感想を書くようにこころがけている。しかしかなり不義理している。今年は基本的にそうしようと自分にいいきかせたりする。特集は「ミニマムな小屋」(日本語…

『建築 21世紀はこれからだ』

執筆者のひとりでもある寺松康裕さんからいただきました。ありがとうございます。 『新建築』誌の神話的な編集者であり今もなお現役である馬場璋造さんの功績を記念するための文献であるらしく、寺松さんら建築関係の編集者、カメラマンが執筆している。 20…

Grand Paris -Sortir des illusions, approfondir les ambitions, 2012 『グランパリ 幻想を払拭して野望を深める』

『グランパリ(パリ大都市圏)、幻想を払拭して野望を深める』 というやけに威勢のいい文献が、数多いグランパリ本のなかで目にとまった。共著者のひとりJean-Pierre Orfeuilは交通工学、土木工学、統計学の専門家であり本書ではより直裁に「モビリティ学専…

Agrandir Paris 1860-1970, 2012 『パリを拡大する』

日曜日なので朝は散歩した。広い公園はジョガーでいっぱいであった。パリの人々がかくもジョギング好きなのは驚きであった。午後、斜め読みの読書をする。最後の一秒まで観光し尽くすなどという根性はもうない。『パリを拡大する』という文献がパリ大学とパ…

ラブルースト展とバルタール展

パリ滞在も終わりに近い週末、建築展をみにいった。 シャイオ宮ではラブルースト展をみた。留学時代、旧国立図書館で閲覧していて、あのベンヤミンもこうしていたのかと子供じみた感慨にふけっていたので、思い入れはあった。しかしやや期待はずれであった。…

Vatican II, 50 ans après

『バチカンⅡから50年』 という文献を見つけたので、ぱらぱらとめくってみた。そういえばそうなのだが、第二バチカン公会議は1962年から開催されたが、それから50年たった。そこでこの50周年にあわせてバチカンⅡ本のラッシュなのである。パリ市内の宗教図…

Quelles villes pour le 21e siècle?

『21世紀の都市やいかに?』という本が目にとまったので、年頭に読む本としてなかなかよいのではないかと思い、最初と最後だけ読んでみた。ティエリ・パコが序文を書いている。 結論はあっさりのべられていて、「惑星次元の都市化」である。ちょうど50年前…

《パリ盆地のオフィス建築》展

アルスナル館で標記のような展覧会が開催されていたので見てきた。WEB版ル・モニトゥール誌でも紹介されつつある。 東西のアンバランスゆえに、バランスに配慮するパリ都市計画の伝統を反映したわけでもないだろうが、パリにはふたつの建築博物館(ギャラリ…