2015-07-01から1ヶ月間の記事一覧

川添登

メディアによりご逝去を知った。 ぼくが建築を学び始めたころ、彼は現代建築論についての主著をすでにものしていて、つぎの目標にすでにむかっていたころであった。しかしそれゆえに、完成度の高い論考により、学んだことは多かった。『現代建築を創るもの』…

この人を見よ(磯崎新建築論集8)

磯崎新は解体された建築と、不在となった主題にもかかわらず、デミウルゴスとして建築する。建築を制作するとも、建築を思索するともいえない。まさに「建築する」。ちょうどニーチェも、神の死と、ルサンチマンとしての信心にもかかわらず、超人ツァラトス…

宗教建築研究の新しい可能性

工学部一号館というところで、専門が近い研究者数名で話し合った。具体的には、19世紀の宗教建築は、建設や管理運営の主体が宗教団体ではなく、国や自立的な世俗アソシエーションであることがおおく、そのことの歴史的な意味をさぐろうという主旨であった…

廃墟論

工学部一号館で建築史の話し合いがおわったあと、隣の教室で人文系の先生方が廃墟論を論じていたので、小一時間聞いてきた。80年代の廃墟論のレビューであった。 コメントを求められたが、もう年寄りなのだからどうしようかとすこし躊躇し、手短なコメント…