2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧

伊藤毅研究室『地域の空間と持続』

標記報告書を送っていただきました。ありがとうございました。 これは東京の白山・丸山福山町地区を分析した報告書である。ひところの町並み・都市分析よりもさらに深く、100年間の人口構成の変化、土地所有関係の変化、町会などのコミュニティといった社…

イタロ・カルヴィーノ『見えない都市』

会議と入試に満ちた素晴らしい一週間が終わろうとしている。日曜日。図書館にいってしばらくたたずむ。書籍を数冊かりる。帰りに点眼薬を買う。花粉対策である。 名作、イタロ・カルヴィーノ『見えない都市』がたまたま目にとまったので、借りてみる。ずっと…

冬眠の幸せ、iPadの喜び

去年あたりから体温が下がっていることには、彼は気づいていた。悪寒がして朝3時に目がさめたこともあった。風呂にはいろうとして裸になるとはげしい悪寒がおそったりした。デスクに向かいながら芯から寒いと感じたことがあった。風邪かなとおもったが、熱…

五十殿利治『「帝国」と美術』

1000頁を超える大著なので、隅々まで眼をとおすわけにもいかないが、堪能できる文献ではある。 1930年代日本の対外美術戦略という副題のとおりの内容である。ローマとベルリンで、それぞれムッソリーニとヒトラーにアピールしようとした日本美術展。…

松村本書評へのコメントにこたえて

花田さんからコメントいただきました。いろいろ感じいりました。 『建築ジャーナル』誌の件があったころは、ぼくもかろうじて30代でした。今思うと、まぶしい感じがしますね。忙しかったなあ。毎日授業どころか、土曜日も演習がありました。いまや歴史的な…

卒業設計の講評会

わが学科の卒業設計である。 家を出る前に、30分ほど書類を作成。留学生関係のもの。 9時30分、大学着。ハンコしたり、雑用。 10時から卒業設計のポスターセッション。学生の話をきいてまわる。というか、お説教が中心。いやなオヤジである。採点結果…

花田佳明『建築家・松村正恒ともうひとつのモダニズム』

花田さんから送っていただいた書籍が、今日、自宅にとどいた。ありがとうございます。さっそく一読した。 第一刷発行が2011年2月28日であるから、その10日ほどまえに書評を書くのもおつなものであろう。 彼が愛媛県のある建築家に注目していたことは…

国家のアイコンをめぐって----折衷主義・純粋美学・弁証法

冬眠しておりました。気がつくと一カ月ぶりの投稿である。『建築雑誌』2月号に掲載されたものの再録です。とくに注目もされていないようですが、ぼくなりの20世紀のある側面のまとめでもあります。 すこし時間をおいて再考し、さらに『建築雑誌』特集をパラ…