Katsuhiro MIYAMOTO & Associates

宮本佳明さんからおくっていただきました。ありがとうございます。全編英語なので、邦題はよくわからないが、90年代から現在までをふくんでいる。最初期の愛田荘、阪神大震災関連のプロジェクト、全壊ハウスなどからはじまり、個人住宅、お寺、商業建築など…

百枝優《あぐりの丘高原ホテル・チャペル》

学生をつれての1泊2日、設計演習ツアーは長崎市であった。宿舎は、新装オープンした標記ホテル。その目玉、チャペルを設計したのは百枝優であった。日程はかなりまえから既決であり、直前では操作できなかったが、彼が設計者として竣工式をするのと、非常…

佐々木翔《あたご保育園》

佐々木翔はごく短期間、ぼくの研究室にいたので、あれこれいうと結局は親馬鹿的になるかもしれないが、《あたご保育園》はなかなかよかった。 SDレビュー賞も受賞して、おかげでわが研究室OBで同賞受賞は、4回にして3人という好成績であり、これは大学の建…

これからの研究計画?

学術系のフリーペーパーのための記事だということで、インタビューの依頼があった。よく知っている若手の先生であったので、快諾した。 そこで卒論以来の自分の問題意識やテーマを思い出しつつ、半生を語るようなことになってしまったが、面白かった。 断片…

Taku Sakaushi, Architecture as Frame and Reframe

坂牛さんから送っていただきました。ありがとうございます。 彼とは学会の委員会でごいっしょしたていどのコンタクトであるにもかかわらず、PORTFOLIO 1989 2016なる直裁で飾り気のない副題の作品集をおくっていただき、教授会のさなか見いいっていたもので…

大野秀敏『Fibercity 縮小の時代の都市像』

大野先生より送っていただきました。ありがとうございます。 10年以上にわたり探求してきたテーマの集大成的なものであり、理論的整理とともに、各種テーマごとのプロジェクト展開がしめされている。 人口減少社会にあって、縮小図式のうえでの都市計画が提…

『磯崎新と藤森照信のモダニズム建築談義』

六耀社からご恵贈いただいた。ありがとうございます。 ふたりがレーモンドと吉村、前川と坂倉、白井と山口、大江と吉坂を論じるという、けっこう大作である。磯崎さんは、あいかわらず俯瞰的、理路整然、博識であるし、藤森さんはあいかわらずなんとか派弁証…

建築デザイン発表会

建築学会大会の企画で、招待講評者にしていただいた。20前後の作品にコメントし、優秀賞を選んだ。 テーマとして20世紀初頭のKWであった「生活」概念を批判的に浮上させるようなプロジェクトを求めたのであった。春先の準備会合では、このテーマでは論文コ…

朝から暑い

今日も36°だそうである。にもかかわらず、うちにいるときはエアコンをつけず、扇風機+ミネラルウォーターですごす。休日などは、5リットルくらい飲むかな。 若いころ、ルクソールあたりにいくために、タクシーをチャーターした。車にエアコンはないにも…

頴原澄子『原爆ドーム』

頴原先生から送っていただいたので、昨日読んでみました。ありがとうございます。 いわゆる原爆ドームの、物産陳列館時代から今日までの歴史である。あるひとつの建物が、被爆し、用途もかわり、内外の政治状況の変化に翻弄されながら、文化財、そしてモニュ…

「デザインが世界を変える、世界がデザインを変える」

同僚の先生からいただいた『地域開発』(vol.613, 2016-04)の特集である。いわゆるデザイン学(「デザイン村」といういいかたがあって、そうだそうだとおおいに納得した)分野ではすこしまえから広まっていた概念ではあるが、アメリカ発BOP的なパラダイムを…

『クリマデザイン』

これも同僚の先生からいただいた。ありがとうございます。 気候のデザイン、環境文化という観点から、環境を指標とした建築設計についての紹介であり、おもしろい。学会では環境工学分野が、温熱環境などを指標とした建築設計にとりくんでおり成果を上げてい…

台北にて

3泊4日で台北にいってきた。旅行期間中、ずっと林先生にお世話になりっぱなしであった。建築見学から卒計ジュリイまで、なにからなにまでおんぶにだっこであった。林先生、ほんとうにありがとうございました。 初日は、林先生とぼくのふたりで、台北科技大…

豊川斎赫『丹下健三 戦後日本の構想者』岩波新書

先日、建築会館のちかくで研究室のかなり後輩にあたる若い研究者とあって世間話のようなものをした。彼は敬老精神の持ち主であったこともおそらくあるが、建築的課題はとてもよく共有できたような気がした。ということは、ぼくもけっこう気持ちは若い?でも…

磯崎新『偶有性操縦法』青土社2016

磯崎先生より賜りました。御礼申し上げます。 しばらく大学を留守にしていたので、一週間ちかく遅れて手にした。 ザハ・ハディド追悼文も事前にメールでいただいた。勉強させていただいたが、あまり即座に反応するのもためらわれた。ただ、オリンピック誘致…

年度がかわる

卒業式。学科長なので祝辞をいい、卒業証書をひとりひとりに手渡す。ひとりひとりに、思い出せるかぎり、短いメッセージをいう。ひとりひとりの4年間にはそれぞれ「かけがえのなさ」がある。 謝恩会の二次会で、教員だけでワインをいただく。 人事異動。学…

栗原詩子『物語らないアニメーション』

栗原先生はかつて、同じ学部の違う学科の先生であったが、地元有名私大にご栄転されてしまった。数年後、こんどはぼくがその大学で非常勤をするようになり、廊下ですれ違うときに挨拶くらいはする。そのようなささやかな奇遇のおかげか、著書をおくっていた…

國學院大學たまプラーザキャンパスにて

『明治神宮以前・以後』書評をテーマとする研究会があった。ぼくはゲストコメンテーターのような立場で、招待していただいた。専門家だけの集まりだと煮つまってしまうので、ぼくのような門外漢は必要であったらしい。 アウェイというか他流試合というか、お…

石山寺多宝塔

恒例の関西古建築見学授業、今年は大報恩寺、北野天満宮、石山寺などであった。個人的な趣味としては、建築はすでに古代において完成していたとするので、いかに中世もゴシックがあったではないか、東大寺南大門はすごいのではないか、といわれても、この偏…

卒業設計ジュリイ

季節である。 去年から海外の大学教員を招待するようになった。去年は台湾の先生方がいらっしゃった。今年は、台湾、バングラデシュ、フランスの先生方、総勢7名ほどいらっしゃって、コメントや講評もしていただき、おおいに盛り上がった。 ぼくはたまたま…

重松象平「建築的思考の可能性」

竹中工務店九州支店設計部から「TAKENAKA DESIGN WORKS vol.32」がおくられてきました。ありがとうございます。じつは東京本社からも毎号いただいており、こんなことを書くと、どちらかいっぽうからは送付を中止されるのではないかと心配だが、こころより感…

『建築画報』364(竹中工務店の免震構造デザイン)

竹中工務店様から送っていただきました。ありがとうございます。 雪の降る日、外出もまならなず、うちで漫然とすごしつつ、文献をぱらぱらめくる。 表題のような内容であるが、技術的なことだけでなく、構法と空間、設計が一体となって新しい建築の型がうま…

小嶋一浩+赤松佳珠子『背後にあるもの 先にあるもの』

・・・を送っていただきました。ありがとうございます。 小嶋さんはずっとまえに石田さんが非常勤で呼んでいた時期があるが、ちょっと久しぶりである。 今回の本は、作品集よいうよりプロジェクト集である。個々の建築のコンプリートな記述ではなく、コンセ…

2016年元旦(エージェントの時代?)

冬休みはアーバンリゾート、呆けてすごそうかと思っていたが、処理すべき書類もあって、漫然と読書して音楽聴いてというにはほど遠い(とほほ)。次善の策として雑誌をぱらぱらめくる。 『SDレビュー2015』は鹿島建設からいただいた。去年内にお礼すべ…

2015年の記事一覧

2015.01.14 宗教的転回? 2015.01.24 プラトンの洞窟(東京カテドラル試論) 2015.01.25 TANGE BY TANGE 1949-1959 2015.03.01 不惑とは 2015.03.08 『豊饒の海』 2015.03.24 シンポジウム「丹下健三没10年『今、何故、丹下なのか』を問う」 2015.04.02 渡辺…

ロベルト・ガルジャーニ『驚異の構築』(レム・コールハースOMA論)

訳者の岩元真明さんから送っていただいた。先日はギアさんの講演会で協力していただいたし、かさねがさねありがとうございます。監訳の難波和彦さんにもよくお世話になっているので、Wで感謝である。 原題をThe Construction of Merveillesというのがまず面…

B案はよろしい

A案かB案かだが、B案かなあ。 第一コンペ案は、建築が触手を伸ばして都市のなかに支配的に介入するというコンセプトであった。A案はグリーンを媒介にして周囲と調和する。B案は、周囲の空間がその巨大な建築ボリュームのなかに浸透してゆく。つまり、第一案…

『明治神宮以前・以後』の書評

話題の文献である。某学会誌にその書評が掲載されていたので一読してみた。ぼくは厳密には専門外だが、妄想は与えてくれる。 神社建築様式と、社叢、都市計画的位置づけという大きな近代化の文脈では、明治神宮が画期をなすという流れで書かれており、また神…

「生活」は2020年を超えるか?

「カルチャー・ヴィジョン・ジャパン」なるものを拝聴した。建築系の講演会とはやや雰囲気が違ったが、社会勉強というものである。この歳になっていうのもなんだが、大人の世界であった。講演では、皇居前広場プロジェクトについて、趣旨説明、建築やアート…

「生活」思想

某学会では「生活」概念が、政策や文化運動のコアとなって、戦前戦後を一貫していたということが論じられていた。 建築にとっては生活改善同盟によりイス式生活や家族生活中心主義がもたらされ、近代住宅が形成される一助となったことが、教科書的知識として…