有言実行、今年はこれをやる

(1)本をだす

 

もう校正は済んだので、予定というか、ほぼ確定なのだが。久しぶりである。西洋建築史をテーマとして、比較的まとまった分量であり、考察もしている。三部構成である。まず西洋建築の古典的名著の翻訳。つぎにこの名著に触発された代表的な建築史家たちがそれをどう解釈したかの、解釈史、学術史。最後に、これら先行研究を研究史的に位置づけたうえで、この名著そのものと、その解釈史を総合的に点検し、さらにぼく独自の?建築観を披露するという欲張ったもの。この研究スタイルそのものを、日本人によるあるべき西洋建築史の研究スタイルとして主張したい。

 

(2)グローバルな建築研究教育組織をそだてる

 

すでに1月1日、制度的にはたちあがっている。これは九大にできた「環境設計グローバル・ハブ」、略称eg-HUBというもの。つまりイージー・ハブ。ほんとうは深刻な課題も、外国の研究者や学生といっしょに自由かつフランクに検討していきましょうというものである。アジアがベースだが、ヨーロッパとのリンクも忘れない。ぼく個人はあくまでヨーロッパベースであり、個人的にアジアなどをこれから研究するわけではない。ただぼくは初代ハブ長ということで、管理運営の立場から、これから日本やアジアをささえてゆく若い世代のお手伝いをするのである。

(3)最終講義をする

首都圏某大学から、大学院で非常勤講師をするオファーをいただいたので、快諾した。大学退職まで若干の時間はあるので、おおげさだが、気が早いという性分はおさえられない。ということで最終講義のつもり。勤務する大学では、本省からのお達しでやれ成果、やれシラバスなどで本音のこもった授業はしずらい。いわゆるお子様ランチ。必要項目はもれなく、いわゆる教育的な立派な講義をするのである。しかし未来を見据えたチャレンジングなことは遠慮がちになる。だから場所をかえることで、挑戦的萌芽(なんか変な表現だが)をする。

(4)身体を鍛える

さすがに歳をとったので、身にしみてわかってきたが、身体は日々衰退するので、日々発展させようとしないと、帳尻があわない。マイブームの過去ログによれば、水泳(ヨーロッパの公共プール巡りという余録もあった)、ジョギング(海外の都市歩きというおまけあり)、フィットネスクラブ、ときて最近はアメリカ伝来の室内有酸素エクササイズ。といっても一〇年まえに流行ったなんとかブートキャンプなどという負荷の大きいものではない。ほんとうに自分にあったものを体得するのは時間のかかるものであるが、最近は、満足率80%くらいで、いい感じである。

(5)研究計画をたてる

これも趣味のようなものだが、これからの研究テーマはいくつあるか、ということを考えてみる。翻訳してみたい文献は、どう少なめにみても、五冊はある。市場性を無視すれば一〇冊以上、とても時間はない。書物の出版というような形で論考してみたいテーマも、五つ。ごく趣味的なくだらないテーマをいれると一五ほどか。これらを秘密のサイトに書き込んで、楽しみにとっておく。