ヒモ国家?

最近になく充実した日曜日であった。

午前中はブローニュ公園をジョギングした。60分で9キロほど。フランス人の特徴で、楽しみ方はほんとうにそれぞれ、ということ。3人ほどのジョガーが、おそらく車いす生活のご老人を、特注の1輪車にのせて、走っていた。あたかも走るスピードそのものを感じてください、といわんがごとく。人間性というものにたいする理解が、ぼくたちとはまったくちがうことを感じる。今回の海外研修で最大の衝撃。

午後、建築見学、教会巡り。ラ=ヴィレットに留学している研究室の学生がいるので、ツアーやるから留学生集めろといったら6人きた。総勢7名で、パリを一周する。アルザス亡命者を記念してつくった教会堂。ハギア=ソフィアに感動した建築家がつくったもの。19世紀の万博の廃材を活用してつくった、労働者のためのもの。ひとつひとつがそれぞれ歴史の側面を語っている。

名言をおもいつく。パリは超
B級建築の宝庫である。A級はどこか?それはぼくもよく知らない。しかしB級であっても、お互いに引き立てかたをよくしっている。さらに層が厚い。それが平均値を格段にひきあげている。

見学のあと、たまたま宿がひろいこともあって、ワインをみんなでたしなみつつ、建築放談をする。ブログにも書けないことをしばらく語る。1時間のジョギングの効果か、気持ちよく眠いが、世代を超えた意見交換もほんのすこしできたかな。話ながら平行して、21世紀の建築はどうなるかも考えてみる。いわゆる団塊世代の全員が65歳を超した2014年に、日本は大きく変わってゆくであろうと、話ながら気づく。大きな構想が求められる。

さらに、である。女子学生が多かったので思い出したが、我が国家は女性に、働け、子供つくれ、税金もっとはらえ、という政策が同時にくるのはいくらなんでもどうか。これはようするに女性にたよろうとするヒモ国家の誕生ということか?